2026年02月21日
遺留分侵害額請求って、結局「お金の請求」なの?

はじめに
こんにちは。司法書士の清水です。
あいおい事務所では、遺留分に関するご相談を受ける中で、よく次のような言葉を耳にします。
「遺留分って、結局はお金を請求するだけの制度ですよね?」
法律上は確かにそうです。
しかし、実務の現場で見ている遺留分侵害額請求は、単なるお金の問題ではないことがほとんどです。
法律上は「金銭請求」に整理されている
遺留分侵害額請求は、現在の法律では「侵害された遺留分に相当する金銭を請求する権利」とされています。不動産そのものを返してもらうわけではなく、原則としてお金での調整です。
この点だけを見ると、「お金の話」と感じてしまうのも無理はありません。
それでも請求に踏み切る人の本音
実際に請求される方のお話を伺うと、「本当は請求なんてしたくなかった」という言葉が多く聞かれます。・遺言を読んで、心が置き去りにされた気がした
・自分だけが家族ではなかったように感じた
・長年我慢してきた思いが、最後にあふれてしまった
お金は「手段」であって、「目的」ではないケースが多いのです。
請求された側にも、強い感情が生まれます
一方、請求を受けた側からは、「裏切られた」「そんなつもりじゃなかった」という声をよく聞きます。特に、
・親の面倒を見てきた
・同居して支えてきた
・遺言者の想いを託された
そうした立場の方ほど、請求に強いショックを受けがちです。
感情が絡むと、話し合いは一気に難しくなる
遺留分侵害額請求は、冷静な話し合いができれば、比較的穏やかに解決できることもあります。しかし、感情が先に立ってしまうと、「お金の問題」が「人間関係の問題」に変わってしまいます。
そうなると、
・話し合いが進まない
・専門家を通さないと連絡すら取れない
・結果として時間も費用もかかる
という悪循環に陥ってしまいます。
「請求する・しない」だけが選択肢ではありません
遺留分侵害額請求は、「するか、しないか」の二択ではありません。・どのタイミングで
・どんな伝え方で
・誰を介して
これらを工夫するだけで、結果が大きく変わることもあります。
専門家が入る意味は、法律だけではありません
あいおい事務所では、「いくら請求できるか」だけでなく、「どうすれば関係を壊さずに済むか」という視点を大切にしています。遺留分侵害額請求は、感情と法律が交差する場面です。
だからこそ、数字だけでなく、人の気持ちにも目を向ける必要があります。

