2026年03月30日
日付は「〇年〇月吉日」でもいい?意外と多い日付の落とし穴

はじめに
こんにちは。司法書士の清水です。自筆証書遺言のご相談で、とてもよく出てくるのが「日付の書き方」です。
遺言を見ると、「令和〇年〇月吉日」と書かれているケースがあります。
一見すると丁寧に書かれていて、気持ちも伝わります。
でも実はこの「吉日」、遺言では注意が必要です。
なぜ「吉日」だと問題になるの?
遺言の日付は、「いつ作成されたかが特定できること」がとても重要です。例えば、
・同じ人が複数の遺言を書いていた場合
・どれが一番新しい遺言なのかを判断する必要がある場合
このとき、「〇月吉日」だと日付が特定できません。
そのため、遺言として無効と判断される可能性が出てきます。
「そこまで細かく見られるの?」と思われるかもしれませんが、相続手続きでは、こうした点がとても大切になります。
実際の相談で多いケース
実際のご相談では、「父は几帳面な人だったから大丈夫だと思っていた」「縁起を担いで吉日にしたんだと思う」
そんなお話をよく聞きます。
気持ちはよく分かります。
ただ、相続手続きの場面では、縁起よりも形式が優先されてしまうのが現実です。
日付はどう書くのが正解?
自筆証書遺言の日付は、「令和〇年〇月〇日」と、年月日をはっきり書くのが基本です。手帳やカレンダーを見ながらで構いません。
難しく考えず、「今日の日付」をそのまま書くのが一番安全です。
「書いた日」を忘れてしまうリスクも
遺言を保管していると、「これ、いつ書いたんだっけ?」と家族が困ることもあります。日付が正確に書いてあれば、
・他の遺言との前後関係
・当時の判断能力の確認
こうした点もスムーズに整理できます。
ほんの一手間で、防げるトラブル
「吉日」と書いたからといって、想いが否定されるわけではありません。ただ、ほんの一文字、ほんの一手間で、使えない遺言になってしまうことがあるのです。
せっかく残すなら、家族が迷わず手続きを進められる遺言にしたいですね。
不安なときは、書いたあとに確認を
遺言は、書くことよりも「使えるかどうか」が大切です。「この日付で問題ない?」「吉日はダメって聞いたけど本当?」
そんな疑問があれば、早めに確認するだけで防げることも多くあります。

