2026年06月21日
相続人の一人が売却を急ぐと起きやすい問題〜話がこじれる前に考えておきたいこと〜

はじめに
こんにちは。司法書士の清水です。相続した不動産のご相談で、よくあるのが「兄弟の一人が、とにかく早く売りたがっている」というケースです。
・固定資産税の負担が気になる
・空き家管理が大変
・早く現金化したい
理由はさまざまですが、一人だけが強く売却を望んでいる状態は、実はトラブルの入り口になりやすいと感じています。
相続人全員の合意が必要という前提
不動産は、相続人全員の共有財産です。そのため、売却には全員の合意が必要です。
一人でも反対、または納得していない人がいると、売却は進められません。
なぜ意見が食い違うのか
同じ不動産でも、相続人それぞれで感じ方が違います。・早く現金化したい人
・思い出があり残したい人
・価格に納得できない人
例えば、長年親の面倒を見てきた方と、離れて暮らしていた方では、家に対する思いも違って当然です。
急ぐほど対立が深まることも
売却を急ぐ方が強く主張すると、他の相続人は「なぜそんなに急ぐのか」「自分の都合だけではないか」と感じてしまうことがあります。その結果、話し合いが感情的になり、かえって進まなくなることも少なくありません。
よくある具体的なケース
実際のご相談では、例えばこんなケースがあります。「長男が早く売って分けようと言っているが、次男は『まだ父の家を手放したくない』と言っている」
このような場合、どちらが正しいという問題ではなく、前提や気持ちを整理することが重要になります。
解決のカギは「目的の共有」
売却の話し合いで大切なのは「売るかどうか」だけでなく、なぜ売るのかを共有することです。・管理の負担を減らしたい
・将来のトラブルを防ぎたい
・資金が必要
理由を言葉にすることで、相手の理解も変わってきます。
第三者が入ることで整理しやすくなる
家族だけで話し合うと、どうしても感情が入りやすくなります。そんなとき、司法書士など第三者が入ることで、
・法的な前提の整理
・選択肢の提示
・冷静な話し合いの土台づくり
ができ、前に進みやすくなります。
司法書士として感じること
相続不動産の売却は、単なる手続きではなく、家族の関係性が表れる場面でもあります。だからこそ「正しさ」ではなく「納得できる着地点」を一緒に探すことが大切だと感じています。
焦らず、順序立てて進めることが大切
一人が急ぐことで、全体がこじれてしまうよりも、一度立ち止まって整理することが、結果的に早い解決につながります。あいおい事務所では、そうした整理の段階からサポートしています。

