2026年05月31日
共有名義の不動産はなぜトラブルになりやすいのか

はじめに
こんにちは。司法書士の清水です。最近、あいおい事務所でも「不動産が共有名義になっていて困っている」という相談が増えています。
例えば、こんなケースです。
・相続で兄弟3人の共有になっている実家
・親の相続で兄弟5人の共有になった土地
・夫婦で共有していた家を相続したケース
・昔の相続のまま、いとこ同士の共有になっている不動産
共有名義そのものが悪いわけではありませんが、実務の現場では、時間が経つほどトラブルの原因になりやすいのが共有不動産です。今回は、なぜ共有不動産が問題になりやすいのかを、実際の相談事例を踏まえてお話しします。
共有不動産は一人では決められない
共有不動産の一番の特徴は、一人の判断だけでは決められないという点です。例えば、不動産を売却する場合。
共有者が複数いると、原則として全員の同意が必要になります。
つまり、
・自分は売りたい
・でも他の共有者が反対
このような場合、不動産は売ることができません。
実際にあった相談では、相続した実家を兄弟4人で共有していたケースで「空き家になって10年以上経っている」「固定資産税だけ毎年払っている」という状況でした。
売却しようとしたところ、兄弟の一人が「思い出があるから売りたくない」と言って反対し、話が止まってしまっていました。
時間が経つほど複雑になる
共有不動産がさらに難しくなるのは、時間が経つと共有者が増えることです。例えば、兄弟3人で共有していた場合でも、そのうちの一人が亡くなると、その持分はさらに相続されます。
すると、
兄弟3人 → 相続人6人 → 8人
というように、共有者がどんどん増えていくことも珍しくありません。
実際に、あいおい事務所に相談があったケースでは、最初は兄弟3人の共有だった土地が、相続を繰り返して、共有者が10人以上になっていたということもありました。
こうなると、全員の連絡先を把握するだけでも大変です。
認知症・音信不通という問題も
共有不動産では、さらに次のような問題もよく起こります。・共有者の一人が認知症になってしまった
・共有者と長年連絡が取れていない
・共有者が海外に住んでいる
このような場合、売却や手続きが簡単には進まなくなります。
例えば、共有者の一人が認知症になっている場合、成年後見制度の利用が必要になることもあります。
また、共有者の所在が分からない場合は、不在者財産管理人などの手続きが必要になることもあります。
こうした手続きは時間もかかり、費用もかかるため「もっと早く整理しておけばよかった」と言われる方も少なくありません。
共有不動産は早めの整理が大切
共有不動産の問題は、・相続
・空き家
・認知症
・家族関係
など、さまざまな問題が重なって起きることが多いものです。
そのため、法律の問題だけでなく、家族の状況や気持ちにも配慮しながら、少しずつ整理していくことが大切になります。
あいおい事務所でも「共有になっている実家をどうしたらよいか」「兄弟で共有している土地を整理したい」「空き家になっている共有不動産をどうするか」といった相談を数多くお受けしています。
共有不動産は、問題が大きくなってからでは解決が難しくなることもあります。
もし、共有名義の不動産について気になることがあれば、まだ問題が小さいうちに、一度整理してみることをおすすめします。
思っているよりも、解決の道筋が見えてくるかもしれません。

