2026年04月04日
「相続対策になります」と高額不動産を勧められたら

はじめに
こんにちは。司法書士の清水です。最近増えているご相談のひとつが「相続税対策になりますよ、と言われて不動産を勧められたのですが…」というものです。
特に60代・70代の方が、終活セミナーや金融機関、不動産会社から
・相続税が高くなりますよ
・現金のままだと損です
・今のうちに収益物件を買えば節税になります
と説明を受け、不安になってしまうケースが目立ちます。
本当にあなたに必要な対策ですか?
まず冷静に考えたいのは「そもそも相続税はかかるのか?」という点です。相続税には基礎控除があります。
ご自宅と預貯金が中心の場合、実は相続税がかからないご家庭も少なくありません。
それなのに「節税になります」と言われると、やらないと損をするのではという気持ちが生まれます。
でも、不動産購入は大きな決断です。
・借入は発生しないか
・空室リスクはないか
・修繕費はどうするのか
・将来売れるのか
節税だけを切り取って判断するのは危険です。
「節税=安心」ではありません
確かに、不動産を活用することで相続税評価が下がるケースはあります。しかし、それはあくまで税金の計算上の話です。
実務の現場で感じるのは、節税のために買った不動産が、次の世代の負担になることもある、ということです。
・管理が大変
・兄弟で共有になり揉める
・売れずに空き家化する
本来、終活は家族の安心のためにするものです。
税金を減らすことが目的化してしまうと、本末転倒になりかねません。
急がせる提案には立ち止まる
もし説明の中に、・今だけの物件です
・早く決めないと他の人に取られます
・皆さんやっています
といった言葉が出てきたら、一度立ち止まりましょう。
終活は急がされるものではありません。
まずは整理から
本当に大切なのは、・財産の全体像を把握する
・家族構成を整理する
・将来どうしたいかを考える
この順番です。
不動産を買うかどうかは、その後の話です。
終活は「何を買うか」ではなく「どう安心して暮らし、どう引き継ぐか」を考える時間です。
不安になったときこそ、急いで契約せず一緒に整理していきましょう。

