2026年07月08日
「お客様」ではなく「売上」として見てしまった会社

はじめに
こんにちは!司法書士の清水です。25年間、司法書士として多くの会社経営者の方と関わってきました。
設立、融資、契約、相続、事業承継、社員トラブル、不動産問題など、本当にさまざまな相談を受けてきました。
その中で感じるのは、長く続く会社には共通点があり、逆に厳しくなっていく会社にも、ある共通した傾向があるということです。
もちろん、経営に「絶対の正解」はありません。ただ、時代が変わっても大切にした方が良いことはあるように感じています。
今回は、その中でも特に多く見てきた、「お客様を売上としてしか見られなくなった会社」について書いてみたいと思います。
数字ばかりを追いかけると見えなくなるもの
経営ですから、売上や利益はもちろん大切です。利益がなければ社員も守れませんし、会社も続きません。ただ、いつの間にか「今月いくら売るか」だけに意識が向きすぎると、お客様を見る視点が少しずつ変わってしまうことがあります。
例えば、「このお客様からどれだけ利益が取れるか」「契約にならないなら後回し」「面倒な相談は避けたい」といった空気感です。
実は、お客様は意外とそういう雰囲気を感じています。
特に今の時代は、商品やサービスだけで選ばれる時代ではなくなってきています。
「この会社はちゃんと自分を見てくれているか」「困った時に相談できそうか」という安心感を重視する方が増えているように感じます。
短期的な利益を優先すると紹介が減っていく
昔、ある会社の経営者の方が、「最近紹介が減った」と悩んでいました。話を聞くと、以前はお客様との雑談やアフターフォローを大切にしていたそうですが、忙しくなってからは効率重視になり、問い合わせ対応も事務的になっていたとのことでした。
もちろん、本人に悪気はありません。「忙しいから仕方ない」という感覚です。
ただ、お客様側からすると、「前は親身だったのに、最近は冷たい」と感じてしまうことがあります。
紹介というのは、単に商品が良かったから起こるわけではなく、「この人に任せて良かった」という信頼感から生まれることが多いです。
逆に、数字ばかりを追いかけ始めると、短期的には売上が上がっても、数年後にじわじわと紹介やリピートが減っていくことがあります。
今は売る力より残る力が大事な時代かもしれません
最近は、本当に変化が早い時代です。価格競争も激しく、AIやネットの影響も大きくなっています。だからこそ、「どう売るか」だけではなく、「どう信頼を積み重ねるか」が大切になっているように感じます。
実際、長く続いている会社は、派手な営業をしているというより、「困ったらあそこに相談しよう」と思われている会社が多い印象です。
それは、地域との関係だったり、社員との関係だったり、お客様との小さな積み重ねだったりします。
すぐに結果が出るものではありませんが、結局はそこが会社の土台になっているのだと思います。
経営は人との関係づくりなのかもしれません
司法書士の仕事をしていると、会社が厳しくなった場面にも立ち会います。その時に感じるのは、最後に会社を支えるのは、銀行でも広告でもなく、「人との関係」だということです。
「あの社長だから応援したい」「昔助けてもらったから力になりたい」「あの会社には続いてほしい」
そんな関係性がある会社は、苦しい時にも周囲が自然と支えてくれることがあります。
もちろん、理想論だけでは経営はできません。
ただ、売上だけを見続けていると、気づかないうちに大事なものを失ってしまうこともあるのかもしれません。
忙しい時代だからこそ、時々立ち止まって、「自分たちは誰のために仕事をしているのか?」を見直してみることも大切なのではないでしょうか。

