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2026年03月29日

相続人の中に高齢の方や判断能力が心配な方がいます〜そのまま遺産分割を進めても大丈夫?〜

認知症
はじめに
こんにちは。司法書士の清水です。
相続のご相談で最近増えているのが、
「相続人の中に高齢の方がいて、判断能力が心配です」
「認知症のような状態かもしれないが、このまま手続きを進めてよいのでしょうか」
といった内容です。ご本人やご家族にとっても、とても悩ましい問題です。

判断能力が不十分な場合、遺産分割は成立しない可能性がある
遺産分割協議は、相続人全員が内容を理解し、合意することが前提です。
そのため、判断能力が十分でない状態で署名・押印をしても、その遺産分割が無効とされる可能性があります。後になってやり直しになると、大きな負担になってしまいます。

「高齢=できない」ではないが、慎重な判断が必要
年齢が高いからといって、すぐに判断能力がないと決まるわけではありません。
ただし、物忘れが増えている、話の理解が難しくなっているなどの様子が見られる場合には、慎重に進める必要があります。
「大丈夫だろう」という感覚だけで進めるのは注意が必要です。

家族の判断だけで進めることはできない
「家族だから分かっている」「本人も納得しているはず」といった理由で手続きを進めてしまうケースもありますが、法律上は客観的な判断が求められます。
後からトラブルになることを防ぐためにも、適切な手続きを踏むことが大切です。

成年後見制度などの活用が必要になる場合もある
判断能力が不十分と判断される場合には、成年後見制度などを利用し、後見人が本人に代わって遺産分割に関与する形をとることがあります。
これにより、本人の権利を守りながら、適正な手続きを進めることができます。

時間がかかることを前提に考える
後見制度の利用には、家庭裁判所への申立てや審査が必要となるため、一定の時間がかかります。
「早く終わらせたい」という気持ちがあっても、この点を見越して進めることが重要です。

無理に進めることが、将来のリスクになる
判断能力に不安がある状態で無理に遺産分割を進めてしまうと、後から無効を主張されるリスクがあります。
その結果、すべてやり直しになるだけでなく、相続人同士の関係にも影響が出てしまうことがあります。

第三者の視点で整理することが安心につながる
判断能力の問題は、とてもデリケートで、ご家族だけでは判断が難しいケースも多くあります。

専門家が関与することで、
・どの程度の判断能力が必要か
・制度の利用が必要か
・今後の進め方
を客観的に整理することができます。

「守るための手続き」として考える
成年後見制度などの利用は、「手間がかかる制度」と捉えられがちですが、本来はご本人の権利や財産を守るための仕組みです。
適切に活用することで、安心して相続を進めることができます。

迷ったときこそ、早めに確認を
判断能力に不安がある場合は、「このまま進めて大丈夫か」を早い段階で確認することが重要です。
後戻りできないリスクを避けるためにも、早めに専門家に相談し、適切な進め方を検討することをおすすめします。