2026年02月20日
遺産分割協議書は自分たちで作っても大丈夫?

はじめに
こんにちは!司法書士の清水です。遺産分割がまとまったあと、よくいただくご質問があります。
「協議書って、ネットのひな形で作れば大丈夫ですか?」
「自分たちで書けば費用もかからないですよね?」
お気持ちは、とてもよく分かります。できれば手間も費用も抑えたいですよね。
実際、内容によっては自分たちで作ることも可能です。
ただ、いくつか気をつけたいポイントがあります。
そもそも遺産分割協議書って何のため?
遺産分割協議書は、「誰が・何を・どのように取得するか」を明確に書面にしたものです。この書類がないと、
・不動産の名義変更(相続登記)
・預貯金の解約や名義変更
・証券口座の手続き
などが進みません。
つまり、相続手続きの土台になる大事な書類です。
実際によくあるもったいない失敗
例えば、こんなケースがありました。「実家は長男が相続」とだけ書いた協議書を作成。いざ登記しようとしたら、
・土地と建物の表示が書いていない
・住所や地番が違う
・預金口座の特定ができない
結果、金融機関や法務局で受け付けてもらえず、結局すべて作り直しに…。
「最初から相談すればよかった…」とおっしゃっていました。
実は、こうしたケース、珍しくありません。
なんとなくの表現が一番危ない
協議書で特に多いのが、「これで伝わるだろう」という書き方です。・実家一式
・預貯金すべて
・その他の財産
こうした表現は、実務上はNGになることがほとんどです。
手続きをする側(法務局や銀行)は、きっちり特定できる記載を求めます。
ここが、ネットひな形だけでは難しいところです。
とはいえ、全部お任せじゃなくてもいい
「全部依頼しないとダメですか?」と聞かれることもありますが、そんなことはありません。例えば、
・まず自分たちで案を作る
・内容チェックだけ専門家に依頼する
・不動産だけ依頼する
こうした柔軟な進め方も可能です。
あいおい事務所でも、一緒に整えるスタイルのご相談が多いです。
将来トラブルを防ぐための一枚
遺産分割協議書は、単なる手続き書類ではありません。数年後、「そんな約束だった?」「聞いていない」とならないための、家族の約束事でもあります。
だからこそ、少しだけ丁寧に作る価値がある書類だと思っています。
迷ったら「作る前」に相談を
完成してから修正するより、作る前に確認する方が、ずっと楽です。「これで合ってる?」その一言だけでも大丈夫です。
ちょっとした確認が、後々の手間やトラブルを防いでくれます。

