2026年02月12日
相続手続きでよくある「思い込み」と落とし穴

はじめに
こんにちは!司法書士の清水です。相続のご相談を受けていると、「それ、実は多いんですよ」という思い込みがいくつかあります。
どれも悪気はなく、「何となくそう思っていた」というものばかりです。
今回は、よくある勘違いと、実際に起きやすい落とし穴を、少し具体的にお話しします。
思い込み【1】「必要書類を集めれば、相続は終わる」
まず多いのが、「戸籍と印鑑証明が揃えば、あとは流れ作業ですよね?」という思い込みです。確かに、書類集めは相続手続きの大事な一歩です。
ただ実際には、
・この戸籍で足りているのか
・抜けている期間はないか
・相続人として問題ないか
といった確認作業がとても重要です。
「集めたつもりだったけど、金融機関で『これでは足りません』と言われて、また一からやり直し」…これは、実務ではよくある話です。
思い込み【2】「うちは揉めないから、話し合いは口約束で」
「家族仲がいいから、書面まではいらないですよね」という話も本当によく聞きます。たとえば、「とりあえず長男が相続して、あとで調整しよう」「今回は急がないから、細かいことは決めなくていい」とういうふんわりした合意のまま進めると、後から「そんな話は聞いていない」「そういう意味だと思っていなかった」と認識のズレが出てきます。
揉めないために、簡単でも形にしておく。
これだけで、後のストレスはかなり減ります。
思い込み【3】「相続税がかからないなら、税金は関係ない」
「うちは相続税がかからないって聞いたから大丈夫」これも安心しがちなポイントです。確かに、相続税がかからないケースは多くあります。ただ、
・不動産を売ったら税金はどうなる?
・今後名義をどうする?
・次の相続で困らない?
といった点は、相続税とは別の話です。
手続きだけ終わらせて、「あとから税金の話が出てきてびっくり」ということも珍しくありません。
思い込み【4】「ネットのひな型を使えば問題ない」
最近は、遺産分割協議書のひな型も簡単に手に入ります。「これに名前を書けばOKですよね?」と聞かれることもあります。
ただ、ひな型はあくまでたたき台。
不動産の書き方が違ったり、将来の売却を想定していなかったりすると、使えない書類になってしまうこともあります。
「作り直しになって、二度手間だった」というケースも少なくありません。
少し立ち止まるだけで、防げる落とし穴が多い
ここまで挙げた思い込みは、特別な失敗ではなく、誰でも陥りやすいものです。だからこそ、「本当にこの進め方でいいかな?」と、途中で一度立ち止まることが大切です。
専門家に相談するというのは、全部を任せることではなく、方向がズレていないかを確認するための「保険」のようなものでもあります。
「失敗しない相続」は、ちょっとした確認から
相続手続きは、頑張りすぎなくても、慎重になりすぎなくても大丈夫です。ただ、「思い込みだけで進めない」
これだけ意識するだけで、相続はぐっと楽になります。

