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2026年07月22日

軽度認知症とお金の管理 家族が見落としやすい変化とは?

老後生活設計
はじめに
こんにちは!司法書士の清水です。
最近、後見相談や高齢者支援の現場で増えているのが「もっと早く気づいていれば…」というご相談です。
特に多いのが、軽度認知症の段階でのお金の管理に関する問題です。
認知症というと、「会話ができない」「何も分からなくなる」というイメージを持たれる方もいます。
しかし実際には、初期段階では普通に会話もでき、日常生活もある程度送れている方が多くいます。
だからこそ、周囲も気づきにくく、ご本人も「自分は大丈夫」と思っていることが少なくありません。
今回は、家族が見落としやすいお金の管理の変化についてお話したいと思います。

最初はちょっとした違和感から始まります
軽度認知症による変化は、ある日突然大きく現れるわけではありません。
例えば、
・同じ物を何度も買う
・支払ったか分からなくなる
・通帳記帳をしなくなる
・お金の話を嫌がる
・財布の中身が合わない
・公共料金の払い忘れが増える
・必要以上に現金を持ち歩く
・ATM操作に不安が出る
など、ちょっとした変化として現れることがあります。
ただ、家族からすると「年齢的なものかな」「疲れているだけかな」と思いやすく、見過ごされることも少なくありません。

「まだしっかりしている」が判断を難しくします
軽度認知症の難しいところは、できることも多いという点です。
例えば、
・普通に会話できる
・買い物にも行ける
・近所付き合いもある
・受け答えもしっかりしている
ため、家族も「まだ後見なんて早い」と感じることがあります。
実際、それ自体は自然な感覚だと思います。
ただ一方で、
・契約内容の理解
・将来リスクの判断
・複数比較
・冷静な金銭判断
などが少しずつ難しくなっているケースもあります。
そのため、下記のようなトラブルにつながることがあります。
・必要ない高額商品を買ってしまう
・不安を煽られ契約してしまう
・お金を貸してしまう

家族が気づくきっかけは通帳が多い
実際の相談では、ご家族が異変に気づくきっかけとして多いのが通帳です。
例えば、
・知らない引き落としが増えている
・現金引き出しが頻繁
・同じ会社への支払いが繰り返されている
などです。
また、下記のようなケースもあります。
・家に大量の商品が届いていた
・不要なリフォーム契約がされていた
・訪問販売業者の名刺が何枚もあった
ただ、ご本人は、
・必要だった
・騙されていない
・自分で決めた
と思っていることも多く、家族との衝突につながってしまうこともあります。

管理するより支える視点が大切
ここで大切なのは、取り上げる発想だけにならないことだと思います。
例えば、「もう危ないから全部家族管理」「通帳を全部取り上げる」という対応は、ご本人のプライドや自立心を傷つけてしまう場合もあります。
もちろん状況によっては必要なケースもありますが、まずは、
・一緒に確認する
・相談しながら管理する
・支払方法を整理する
・信頼できる支援者を増やす
など、支える視点が重要だと感じています。
後見制度も、「何もできなくなった人の制度」ではなく、安心して暮らし続けるための仕組みとして考えることが大切です。

不動産や住まいの問題につながることも
お金の管理の問題は、住まいの問題にもつながっていきます。
例えば、
・不要なリフォーム契約
・自宅売却の勧誘
・管理費や固定資産税の滞納
・空き家管理の放置
などです。
特に、不動産は金額も大きく、一度契約すると影響も大きいため、早めの気づきが重要になります。

司法書士清水のコメント
私は、後見相談の現場で、「もっと早い段階で家族が話し合えていたら」と感じることがあります。
ただ、高齢の親に対して「お金大丈夫?」「通帳見せて」とは、なかなか言いにくいものです。
親子だからこそ遠慮もありますし、ご本人も「まだ子どもに管理されたくない」という気持ちを持たれることがあります。
だからこそ、私は管理ではなく、一緒に支えるという感覚が大切だと思っています。
あいおい事務所では、法律や制度だけでなく、その方の生活や家族関係、住まいの状況も含めながら、現実的な方法を一緒に考える支援を大切にしています。
「まだ大丈夫かな」
そう思う段階こそ、実は大切なタイミングなのかもしれません。