2026年07月29日
共有名義のままで大丈夫?兄弟で相続した土地のリスク

とりあえず共有に…が一番多い選択
こんにちは!司法書士の清水です。地主の相続で非常に多いのが「とりあえず兄弟で共有にしておきました」というケースです。
話し合いがまとまらない、誰か一人に決めきれない、平等にしたい、こうした理由から共有という形が選ばれることが多いのですが、実はこの「とりあえず」が、将来大きな問題につながることがあります。
共有名義の最大のリスクは「動かせないこと」
共有名義の土地は、売却・建替え・活用といった重要な判断をする際に、原則として共有者全員の同意が必要になります。例えば3人兄弟で共有している場合、1人でも反対すれば売ることも貸すこともできません。
実際に「売りたいのに連絡が取れない相続人がいる」「考え方が違って話が進まない」という相談はとても多く、結果として何もできず、時間だけが過ぎてしまうケースが少なくありません。
世代が変わるとさらに複雑に
さらに問題なのは、その共有者の誰かが亡くなった場合です。その持分がまた相続され、次の世代へ引き継がれていきます。
そうすると、最初は3人だった共有者が、気づけば5人、10人と増えていくこともあります。
こうなると、もはや全員の意思をまとめること自体が難しくなり「誰も手をつけられない土地」になってしまうことも現実に起きています。
「公平」のつもりが不公平に
共有は一見すると平等に見えますが、実際には不公平が生じやすい形でもあります。例えば、固定資産税を誰が払うのか、草刈りや管理を誰がやるのかといった点で負担の偏りが出てきます。
「使っていないのに負担だけある」という不満が積み重なり、兄弟間の関係がぎくしゃくしてしまうこともあります。
共有解消は簡単ではない
一度共有にしてしまうと、それを解消するのは簡単ではありません。持分を買い取る、分筆する、全員で売却するなど方法はありますが、いずれも共有者全員の協力が必要になります。
関係がこじれてしまってからでは、話し合い自体が難しくなり、結果として長期間放置されてしまうケースもあります。
なぜ共有が選ばれてしまうのか
それでも共有が選ばれるのは「今決めきれないから」「揉めたくないから」という理由が大きいように感じます。その場では穏便にまとまったように見えても、問題を先送りしているだけで、次の世代により大きな負担を残してしまう可能性があります。
共有にしないための考え方
ではどうすればよいかというと、相続の段階で「誰がどう関わるのか」をできるだけ整理しておくことが大切です。一人が引き継ぐのか、売却して分けるのか、活用するのか、完全な正解はありませんが、方向性を決めておくことで、将来のリスクを大きく減らすことができます。
あいおい事務所の関わり方
あいおい事務所では、単に名義変更の手続きを行うだけでなく、その後の活用や管理、そして相続人同士の調整も含めて関わっています。共有にするかどうかも含めて、それぞれのご家庭の状況やお気持ちを踏まえながら、一緒に整理していくことを大切にしています。
「今は大丈夫」が一番危ない
共有名義は、すぐに問題が起きるわけではありません。そのため「今は特に困っていないから大丈夫」と思いがちですが、時間が経つほど解決は難しくなります。
だからこそ、まだ動ける今のうちに一度見直しておくことが、土地を守り、家族関係を守ることにもつながるのではないでしょうか。
