実際の相談事例を元に、様々なお悩みを司法書士清水敏博のコラムでご紹介します。

2026年03月13日

思い出の詰まった実家を手放すことへの迷い

不動産関連
はじめに
こんにちは。司法書士の清水です。
空き家のご相談を受けていると、手続きやお金の話の前に、こんなお気持ちをよく伺います。
「売った方がいいのは分かっているんです。でも、なかなか決心がつかなくて…」
空き家の問題は、法律や不動産の問題である前に、気持ちの整理の問題でもあります。

家ではなく「思い出」をどうするかで悩んでいる
実家には、
・子どもの頃の写真
・柱に残った身長の跡
・家族で過ごした食卓
・親が大切にしていた庭
単なる建物ではなく、人生の時間が詰まっています。
だからこそ、「処分する」という言葉に強い抵抗を感じてしまうのは、とても自然なことです。

残したい気持ちと、現実との間で揺れる
一方で、現実には
・誰も住んでいない
・管理に通うのが大変
・固定資産税や修繕費がかかる
という負担が続きます。
「残したい気持ちはある。でも、このままでいいのだろうか」
この気持ちと現実の間で立ち止まっている方は、決して少なくありません。

手放すこと=思い出をなくすことではない
実務の現場で感じるのは、実家を手放された方が、必ずしも後悔されているわけではない、ということです。
むしろ「区切りがついて、親のことを穏やかに思い出せるようになった」「管理の心配がなくなって、肩の荷が下りた」とおっしゃる方も多くいらっしゃいます。
形としての家がなくなっても、思い出まで消えるわけではありません。

決断を急がなくてもいい。ただ、立ち止まり続けなくてもいい
空き家の整理は、急いで結論を出す必要はありません。
例えば、
・家族で一度ゆっくり話してみる
・写真や残したい物を整理する
・今後の管理の見通しだけ確認する
そんな小さな一歩でも、気持ちの整理につながっていきます。

まとめ:空き家の問題は「心の整理の時間」でもある
空き家をどうするかは、不動産の判断であると同時に、ご家族にとって一つの節目でもあります。
迷うこと自体が、決して間違いではありません。
ただ、そのまま時間だけが過ぎてしまうと、別の負担が生まれてしまうこともあります。
少しずつでも向き合っていくことが、ご自身やご家族のこれからを軽くしてくれることもあります。

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