2026年06月30日
社員を「コスト」としてしか見なかった会社

はじめに
こんにちは!司法書士の清水です。25年間、司法書士として地域の中小企業と関わる中で、本当にたくさんの経営者の方とお会いしてきました。会社設立、役員変更、資金繰り、事業承継、労務トラブルなど、会社の良い時も苦しい時も見てきたように思います。
その中で最近特に感じるのが、「人」の問題です。
「求人を出しても応募が来ない」「せっかく採用しても続かない」「若い社員がすぐ辞める」
そんな声を聞くことが本当に増えました。
もちろん、人材不足という社会全体の流れもあります。ただ、一方で、長く働く人が多い会社と、次々辞めていく会社には、やはり空気感の違いがあるようにも感じています。
今回は、「社員をコストとしてしか見られなくなった会社」について書いてみたいと思います。
「人件費を減らしたい」が口癖になっていないか
経営ですから、人件費を考えるのは当然です。特に中小企業は余裕があるわけではありませんし、簡単な問題ではありません。ただ、いつの間にか、「社員=コスト」という感覚だけが強くなってしまうことがあります。
例えば、「給料を上げたくない」「休みを増やしたくない」「できるだけ少人数で回したい」といった考え方です。
もちろん、それ自体が悪いわけではありません。
ただ、それが強くなりすぎると、社員側には「大事にされていない」という空気感が伝わってしまうことがあります。
そして最近は、給料だけで会社を選ぶ時代でもなくなってきています。
「ちゃんと話を聞いてくれるか」「無理な働き方になっていないか」「ここで長く働けそうか」
そういう部分を見ている方が増えているように感じます。
辞める理由は給料だけではない
以前、ある会社の経営者の方が、「最近の若い人は根性がない」と話していました。ただ、よく話を聞いていくと、社員との会話がほとんどなく、ミスがあると強く叱責され、相談しにくい空気になっていました。
一方で、その経営者の方自身は、「昔はこれが普通だった」と思っているのです。
ここが難しいところです。
本人に悪気はありません。むしろ、一生懸命会社を守ろうとしているケースも多いです。
ただ、時代が変わる中で、普通も変わってきています。
実際、辞めない会社を見ると、特別に高給というわけではなくても、「人をちゃんと見ている」会社が多い印象があります。
社員の話を聞く、感謝を伝える、無理をさせすぎない、小さな変化に気づく。
そういう積み重ねが、結果的に「ここで働き続けたい」に繋がっているのかもしれません。
人が辞めると、実は一番苦しいのは会社
中小企業の場合、一人辞める影響は本当に大きいです。仕事が回らなくなるだけでなく、残った社員に負担が集中し、空気も悪くなり、さらに辞める人が出る。
こういう流れは、実際かなり多く見てきました。
しかも今は、簡単に人が採れる時代ではありません。
昔のように、「辞めてもまた募集すればいい」という感覚では、なかなか難しくなってきています。
だからこそ、「どう採用するか」より、「どう続けてもらうか」の方が大切な時代なのかもしれません。
社員は会社の未来でもある
もちろん、経営者にも苦労があります。資金繰り、取引先対応、責任、プレッシャーなど、外からは見えない大変さもたくさんあります。だからこそ、つい余裕がなくなり、「人を育てる」「向き合う」という部分が後回しになることもあるのだと思います。
ただ、長く続いている会社を見ると、やはり人を大切にしています。
社員を甘やかすという意味ではありません。
「この人に長くいてほしい」「一緒に会社を良くしていきたい」という視点を持っている会社です。
そういう会社は、社員も会社を大切にするようになります。
結局、会社というのは、人と人との積み重ねなのかもしれません。
人手不足の時代だからこそ、改めて「うちの会社は、人を大切にできているだろうか?」と見直してみることも、大切なのではないでしょうか。
