実際の相談事例を元に、様々なお悩みを司法書士清水敏博のコラムでご紹介します。

2026年05月03日

事業承継は「税金の話」だけではないと感じる場面

経営サポート
はじめに
こんにちは、あいおい事務所の清水です。
事業承継というと、「税金対策が大事ですよね」というお話になることがよくあります。
もちろん、相続税や贈与税などは大切なテーマですし、しっかり検討していく必要があります。
ただ、実際に現場で関わっていると、それだけでは整理しきれない場面がとても多いと感じています。

数字だけでは決めきれないことがある
たとえば、こんなケースです。
・長男が会社を継ぐ予定だが、他の兄弟とのバランスをどうするか
・会社の株式と個人の資産をどう分けるか
・経営に関わっていない家族への配慮をどうするか
税金の観点からは一つの答えが出ることもありますが、それがそのまま最善とは限らないこともあります。
実際には、「気持ちの整理がつかない」「家族関係を大切にしたい」といった部分が大きく影響することも少なくありません。

現場では人の問題として出てくることが多い
事業承継のご相談は、最初は制度や税金の話から始まることが多いのですが、お話を進めていくと、次第に
・誰がどう関わるのか
・どこまで任せるのか
・どんな役割分担にするのか
といった、「人」に関わるテーマに移っていくことがよくあります。
そして、この部分が整理されないままだと、手続きだけ進めても、あとでうまくいかなくなることもあります。

手続きは整っているのに、うまく進まないケース
たとえば、
・株式の移転は済んでいる
・役員変更も終わっている
・税務上の整理もできている
それでも、
・社内の意思決定がうまくいかない
・関係者の認識にズレがある
・後継者が孤立してしまう
といった状況になることもあります。
これは、制度や手続きの問題というより、事前の共有や関係づくりの部分が影響していることが多いです。

「何を大切にするか」を先に考えてみる
承継を考えるとき、いきなり手続きや税金から入るのではなく、
・会社をどんな形で残したいか
・家族との関係をどう考えるか
・社員にどんな環境を引き継ぎたいか
といった点を少し整理してみると、その後の進め方がスムーズになることがあります。

専門家の役割も少し変わってきている
私たちも、以前は「手続き」や「制度」を中心に関わる場面が多かったのですが、最近はそれに加えて、
・関係者の整理
・考え方のすり合わせ
・進め方のサポート
といった部分に関わることが増えてきました。
それだけ、事業承継が「総合的なテーマ」になってきているのだと思います。

バランスを見ながら進めていく
・税金も大切。
・手続きも大切。
・人の関係も大切。
どれか一つだけではなく、全体のバランスを見ながら進めていくことが、結果として無理のない承継につながるように感じています。
承継は、一つの正解があるものではなく、会社ごとに形が違うものです。
だからこそ、焦らず一つひとつ整理しながら、進めていくことが大切なのかもしれません。

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