2026年03月22日
会社の将来を考えるとき、意外と見落とされている「株式」の話

はじめに
こんにちは、あいおい事務所の清水です。事業承継のご相談を受けていると、社長からこんなお話を聞くことがあります。
「会社は自分のものだから大丈夫」「いずれ息子に任せるつもりなんだけどね」
もちろん、経営を続けてきた社長の想いとしては自然なことだと思います。
ただ、実務の現場でよくあるのが、会社の株式の整理が思っていたより複雑になっているケースです。
株式は「会社の所有権」に近いもの
会社を経営する立場と、会社を所有する立場は、実は少し意味が違います。社長は会社の経営者ですが、株式は会社の所有権に近いものです。
たとえば、株式を持っている人は、
・株主総会で議決権を持つ
・役員を選ぶことができる
・会社の重要事項に関与できる
という立場になります。
つまり、会社を誰が引き継ぐかという話は、株式をどう引き継ぐかという話でもあるのです。
意外と多い「株式の状況が分からない会社」
長く続いている会社ほど、株式の状況が曖昧になっていることがあります。たとえば、
・創業時に家族で株式を分けている
・昔の役員が株主のままになっている
・株主名簿が整理されていない
・相続が起きたあと、そのままになっている
こうした状態でも、日常の経営は問題なく回っていることが多いので、普段は気づきにくい部分でもあります。
相続がきっかけで複雑になることも
特に多いのが、株式が相続によって分散してしまうケースです。たとえば、創業者の社長が亡くなった場合、株式は相続財産になります。
すると、
・配偶者
・子ども
・場合によっては複数の相続人
といった形で、株式が分かれる可能性があります。
その結果、「経営は長男がしているけれど、株式は兄弟で分かれている」という状況になることもあります。
すぐに問題が起きるわけではありませんが、将来の経営判断の場面で影響が出ることもあります。
難しい手続きの前に、まず現状を知ること
株式というと難しい話に聞こえるかもしれませんが、まず大切なのは、今どうなっているかを確認することです。・誰が株主なのか
・何株持っているのか
・相続が発生していないか
このあたりを整理するだけでも、会社の将来の見え方が変わることがあります。
会社を未来につなぐための土台づくり
事業承継というと、後継者や経営の話に目が向きがちですが、株式の整理は、会社の土台に関わる大切なテーマです。ただ、急いで何かを決める必要はありません。
現状を整理して、「これからどうしていくのが良さそうか」を少しずつ考えていくことが大切だと思います。
私たちも、制度や手続きを進める前に、まず会社の状況を一緒に整理するところから関わることが多くあります。
