2026年01月13日
人材不足よりも深刻かもしれない「経営者不足」という課題

はじめに
こんにちは、あいおい事務所の清水です。最近、多くの会社で「人が足りない」という声を耳にします。
採用が難しい、若い人が来ない、育てる時間がない…。
どの業種でも共通の悩みになっています。
ただ、現場で長く企業の皆さまと関わっていると、もう一つ別の課題も感じることがあります。
それは、「人材不足」というより、「経営を担う人が育ちにくくなっている」という点です。
仕事は任せられても、経営は任せにくい
多くの会社では、社員の皆さんが現場をしっかり支えています。業務の技術や対応力は年々高まっている会社も少なくありません。
それでも、社長からこんなお話を聞くことがあります。
「仕事は任せられるんだけど、最終判断はやっぱり自分になる」
「経営のことまではなかなか共有できていなくて…」
これは決して珍しいことではなく、むしろ自然な流れです。
経営判断には、長年の経験や責任が伴いますから、簡単に引き継げるものではありません。
経営の中身は意外と見えにくい
日々の業務はマニュアル化できても、経営の考え方や判断の背景は、言葉にする機会がないまま社長の中に積み重なっていることが多いものです。・なぜこの取引先と長く付き合っているのか
・どこまでリスクを取るのか
・どんな基準で最終判断しているのか
こうした部分は、意識して共有しない限り、次の世代にはなかなか伝わりません。
気づかないうちに、「社長しか分からない領域」が増えてしまうこともあります。
後継者探しよりも、まず関わり方を変えてみる
事業承継というと、後継者を決めることに意識が向きがちですが、実際にはその前段階としてできることがたくさんあります。たとえば、特別な教育や制度を用意しなくても、日々の関わり方を少し変えるだけで経営の感覚は少しずつ伝わっていきます。
・打ち合わせに同席してもらう
・判断の理由を少し言葉にしてみる
・小さな決定を任せてみる
・将来の話を雑談の中で共有してみる
承継は「人を選ぶこと」ではなく「育つ環境をつくること」
誰が継ぐか、という点はもちろん大切ですが、それ以上に大切なのは、経営に関われる土台を整えることなのかもしれません。いきなり任せるのではなく、時間をかけて関わりを増やしていく。
そうすることで、会社の未来を一緒に考える仲間が自然と育っていくように感じます。
会社のこれからを一人で背負わなくてもいい
長く経営を続けてこられた社長ほど、責任感が強く、「自分がやらなければ」と思われる場面も多いと思います。でも、少しずつでも役割を分けていくことが、結果的に会社を長く続けることにつながります。
私たちも、制度や手続きの前に、「どんな形なら無理なく引き継いでいけそうか」という整理のお手伝いをすることが増えてきました。
