実際の相談事例を元に、様々なお悩みを司法書士清水敏博のコラムでご紹介します。

2026年07月18日

相続人調査を甘く見てしまった結果、手続きが止まるケース

遺産相続
はじめに
こんにちは!司法書士の清水です。
相続のご相談でとても多いのが「相続人って家族だけですよね?」というスタートから、思わぬところで手続きが止まってしまうケースです。
相続は財産の分け方に目が向きがちですが、実はその前提となる「誰が相続人なのか」を正確に確定することが最も重要な第一歩です。
ここを甘く見てしまうと、その後の手続きがすべて止まってしまうことがあります。

「家族だけ」のはずが違っていた
例えば、横浜にお住まいのAさんのケースでは、お父様が亡くなり、相続人は母と長男のAさん、妹の3人だけだと思って手続きを進めていました。
ところが、戸籍をさかのぼって取得していくと、お父様には前婚時の子どもが1人いることが分かりました。
Aさんご本人も知らなかった事実で、ご家族にとっても大きな驚きでしたが、その方も法定相続人となります。
その結果、遺産分割協議をやり直す必要が生じ、連絡を取るところからのスタートとなり、手続きは大幅に遅れてしまいました。

戸籍収集は想像以上に大変
相続人調査のためには、亡くなった方の出生から死亡までの戸籍をすべて集める必要がありますが、これが想像以上に手間と時間がかかります。
転籍を繰り返していた場合は複数の役所に請求が必要になり、古い戸籍は手書きで読みにくいものも多く、読み解くのにも慣れが必要です。
「とりあえず自分でやってみよう」と始めたものの、途中で分からなくなり、結果として時間だけが過ぎてしまったというご相談も少なくありません。

相続人が確定しないと何も進まない
相続では、相続人全員で遺産分割協議を行う必要がありますので、1人でも漏れていると協議自体が無効になってしまいます。
また、不動産の名義変更や預貯金の解約なども、相続人が確定していないと進めることができません。
「とりあえず進めてから考えよう」というわけにはいかないのが相続の難しいところです。

家族の気持ちにも影響する問題
さらに、思いがけない相続人の存在が分かると、ご家族の気持ちにも大きな影響が出ます。
「なぜ今さら」「どう向き合えばいいのか」と戸惑い、話し合い自体が進まなくなることもあります。
相続は単なる手続きではなく、家族の関係性にも関わる問題ですので、こうした点にも配慮が必要です。

最初の一歩がその後を左右する
相続手続きは「誰が相続人かを正確に把握すること」から始まります。
ここをしっかり押さえておくことで、その後の手続きはスムーズに進みやすくなりますし、余計なトラブルを防ぐことにもつながります。
逆に言えば、ここを曖昧にしたまま進めてしまうと、後から大きな手戻りが生じてしまいます。
あいおい事務所では、単に戸籍を集めるだけでなく、その内容を読み解き、どのような点に注意すべきか、今後どんなことが起こり得るかまで見据えてサポートしています。
相続は「最初の一歩」で結果が大きく変わります。
少しでも不安を感じた段階で、一度立ち止まって整理してみることが、結果的に一番の近道になることも多いと感じています。

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