2026年06月24日
話し合えば分かる」は本当?相続で揉める典型パターン

はじめに
こんにちは!司法書士の清水です。相続のご相談で、「うちは仲が良いので揉めません」というお話をいただくことがあります。
もちろん、本当に円満に進むご家族もたくさんあります。
ただ、実際には「仲が悪かったから揉めた」というより、相続をきっかけに空気が変わってしまったというケースの方が多いように感じます。
相続は、お金や不動産の問題だけでなく、長年積み重なってきた家族関係や感情も表面化しやすい場面だからです。
「平等」の感覚が人によって違う
相続でまず起こりやすいのが、公平感のズレです。例えば、長男は「自分が親の近くに住み、介護や通院の付き添いもしてきた」と感じている一方で、他の兄弟は「法律上は平等に分けるべきでは?」と考えていることがあります。
どちらにも理由があるため、単純に白黒つけられないのが難しいところです。
実際にあったケースでは、長女の方が長年お母様のサポートをしていましたが、遺産分割の場面で弟さんから「介護していたのは分かるけど、財産は別問題では?」と言われたことで、一気に感情的になってしまいました。
最初は冷静だった話し合いも、「今までの苦労を分かってもらえていない」という気持ちが強くなり、関係が悪化してしまったのです。
「親の言葉」が逆に揉める原因になることも
「お父さんが生前こう言っていた」「お母さんは長男に家を継がせたいと言っていた」という話が出ることもよくあります。ただ、それが正式な遺言ではなく、あくまで口頭レベルだと、他の相続人は納得しにくいことがあります。
特に不動産が絡むと、「本当にそう言っていたのか」「なぜ自分には話してくれなかったのか」という疑念につながりやすくなります。
連絡役が一人に偏ると空気が悪くなる
相続では、比較的動きやすい方が自然とまとめ役になることがあります。ただ、その方が頑張れば頑張るほど、「勝手に進めている」「自分の都合で話を進めているのでは」と受け取られてしまうこともあります。
実際、「親のためにと思って動いていたのに、最後は責められてしまった」というご相談も少なくありません。
不動産が入るとさらに難しくなる
預金だけなら分けやすいのですが、不動産が入ると一気に難易度が上がります。「住み続けたい」「売却したい」「残したい」など、それぞれ考え方が違うためです。
また、空き家の管理や固定資産税など、今後の負担も関係してきますので、単純に法定相続分どおりにはまとまらないことも多くあります。
「揉めない家族」ほど準備が大切
実は、仲が良いご家族ほど、「話せば分かるから大丈夫」と準備を後回しにしやすい傾向があります。しかし、相続は家族だからこそ言いにくいことが出やすい場面でもあります。
だからこそ、財産の整理や遺言、今後の方向性などを、生前から少しずつ共有しておくことが大切です。
相続は感情整理の側面もある
法律上の正解だけを押し付けても、気持ちが整理できていないと、後にしこりが残ることがあります。逆に、お互いの立場や気持ちを整理しながら進めることで、大きな対立を防げるケースもあります。
相続は単なる財産分けではなく、家族関係の整理という側面も強いと感じています。
あいおい事務所では、単に書類作成を進めるだけでなく、相続人それぞれのお気持ちや立場も整理しながら、できるだけ将来にわだかまりを残さない進め方を大切にしています。
「話し合えば分かる」と思っていたご家族ほど、少し早めに準備や相談を始めることが、結果的に円満な相続につながることも多いと感じています。
