実際の相談事例を元に、様々なお悩みを司法書士清水敏博のコラムでご紹介します。

2026年05月13日

売りたい人と売りたくない人がいる共有不動産

不動産
はじめに
こんにちは。司法書士の清水です。
共有不動産のご相談で、特に多いのが「売りたい人と売りたくない人で意見が分かれてしまっている」というケースです。

相続で実家や土地を共有したものの、時間が経つにつれて、それぞれの事情や考え方が変わり、方向性がまとまらなくなることがあります。
今回は、この「意見の対立」が起きたときに、どのような問題が生じるのかについてお話しします。

なぜ意見が分かれるのか
例えば、こんなケースがあります。
兄弟3人で実家を相続し、共有名義にしました。
その後、実家は空き家となり、

・長男 →「管理も大変だし売却したい」
・次男 →「固定資産税の負担もあるので処分したい」
・長女 →「思い出の家だから残したい」
というように、意見が分かれてしまいました。

このように、感情(思い出・愛着)と現実(費用・管理負担)のバランスによって、考え方が大きく変わることがあります。

共有不動産は全員の同意が必要
共有不動産の場合、不動産を売却するには原則として、共有者全員の同意が必要です。
つまり、一人でも反対すると、売却は進められません。

その結果
・空き家のまま放置される
・固定資産税だけ払い続ける
・管理が行き届かなくなる
といった状態が続いてしまうことがあります。

話し合いが進まない理由
実際の現場では、話し合いが進まない理由として
・感情的な対立がある
・そもそも連絡を取りづらい
・誰も主導して動かない
・問題を先送りにしている
といったことが多く見られます。

また
「関係を悪くしたくないから言い出せない」
という方も多く、結果として何も決まらないまま時間だけが過ぎていくこともあります。

時間が経つほど解決は難しくなる
こうした状態が続くと、さらに問題は複雑になります。
・共有者が亡くなり、相続人が増える
・建物が老朽化する
・認知症などで判断が難しくなる
といった事情が重なることで、ますます合意形成が難しくなることがあります。
実際に「もっと早く話し合っておけばよかった」という声もよく聞きます。

解決には「整理」と「対話」が大切
このようなケースでは、単に法律の話だけでなく
・それぞれの事情
・家族関係
・将来の見通し
を整理しながら、少しずつ方向性を見つけていくことが大切です。

あいおい事務所でも、共有不動産のご相談では「誰が何を考えているのか」「どの選択肢が現実的か」を一緒に整理しながら、解決の糸口を探っていきます。
また、必要に応じて税理士や不動産の専門家とも連携し、全体像を踏まえたご提案を行っています。

「今は動けない」でも一歩は踏み出せる
共有不動産の問題は、すぐに結論が出ないことも多いものです。

ただ、
・現状を整理する
・選択肢を知る
・話し合いのきっかけをつくる
こうした一歩を踏み出すことで、少しずつ動き出すこともあります。

もし、売りたい人と売りたくない人で悩んでいる場合は、まずは状況を整理するところから始めてみるのも一つの方法かもしれません。
思っているよりも、解決への道筋が見えてくることがあります。

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