実際の相談事例を元に、様々なお悩みを司法書士清水敏博のコラムでご紹介します。

2026年04月22日

遺留分を請求する側の葛藤と迷い

遺産相続
はじめに
こんにちは。司法書士の清水です。
遺留分侵害額請求というと、「権利を主張する側」と聞いて、強く要求する姿を想像される方もいらっしゃるかもしれません。
しかし実際には、請求を検討されている方ほど、深く悩み、迷っておられることが少なくありません。

「本当に請求していいのだろうか」という戸惑い
ご相談に来られる方の多くが、まずこうおっしゃいます。
「こんなことを言ったら、家族関係が壊れてしまうのではないか」
「お金のことで争う人間だと思われたくない」
「親の意思に逆らうことになるのではないか」

法律上の権利があると分かっていても、気持ちの整理がつかず、長い間悩み続けてしまう方もいらっしゃいます。

請求の背景にあるのは金額ではないことも多い
遺留分の話になると、どうしても金額の問題に目が向きがちです。

ですが、実際のご相談では、
・きちんと理由を知りたい
・何も説明がなかったことがつらい
・家族として扱われていないように感じた
といった、感情面の引っかかりが大きいことがよくあります。

請求は、その気持ちに区切りをつけるための手段として選ばれている場合もあるのです。

請求しないままでは、心の整理がつかないことも
一方で、「請求しない」という選択をした場合でも、
・納得できない思いが残ってしまう
・兄弟との関係がぎくしゃくする
・気持ちにふたをしたまま時間だけが過ぎる
というケースも見受けられます。どちらを選んでも、簡単ではないのが現実です。

感情と法律の間で揺れるのが自然な姿です
遺留分侵害額請求は、制度としては明確でも、実際には「気持ち」と「法律」の間で揺れ動く問題です。
迷うこと自体が、特別なことではありません。
むしろ、それだけ家族のことを大切に思ってこられた証でもあります。

専門家に相談する意味は、結論を急がないためでもあります
あいおい事務所では、「請求するべきかどうか」を急いで決めるのではなく、まず状況を整理し、どのような進め方があるのかを一緒に考えていきます。

請求するかどうかだけでなく、
・どのように伝えるか
・話し合いの余地があるか
・時間を置くべきか
といった点も含めて検討することが大切だからです。

相続は、気持ちの区切りをつける時間でもあります
遺留分の問題は、単なる法律手続きではなく、故人との関係や、これまでの家族の歩みを振り返る時間でもあります。
その過程を丁寧に進めることが、結果として大きな対立を避けることにつながる場合もあります。

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