実際の相談事例を元に、様々なお悩みを司法書士清水敏博のコラムでご紹介します。

2026年03月08日

遺産分割を先延ばしにすると、どんなリスクがある?

遺産相続
はじめに
こんにちは!司法書士の清水です。
相続が発生したあと、こんなお話をよく聞きます。
「急いで困っているわけじゃないので、そのままにしています」
「家族仲も悪くないし、いずれ話せばいいかなと思って…」

お気持ちはとても自然です。
実際、日常生活が忙しい中で、遺産分割の話をするのは後回しになりがちです。
ただ、そのままにしておくことにも、実は見えにくいリスクがあります。

時間が経つほど、話し合いは難しくなる
遺産分割は、時間が経てば自然に解決するものではありません。
むしろ、時間が経つほど状況は複雑になりやすいのです。

例えば、
・相続人の一人が亡くなり、次の相続が発生する
・相続人の配偶者や子どもが関係してくる
・人数が増えて、話し合いがまとまりにくくなる
こうなると、当初は兄弟だけの話だったものが、
次の世代を巻き込んだ相続に変わってしまいます。

実際にあったケース
例えば、親の相続を20年以上そのままにしていたケース。
いざ不動産を売却しようとしたところ、相続人が10人以上に増えていました。

・連絡先が分からない方がいる
・一度も会ったことがない親族がいる
・書類のやり取りだけでも数か月…

最初に話し合っていれば数週間で終わったものが、結果として何倍もの時間と労力がかかってしまいました。

不動産は特に影響が出やすい
遺産分割をしないまま不動産を放置すると、
・名義変更ができない
・売却や活用ができない
・管理の負担だけが残る
といった状況になります。

空き家になってしまった場合、固定資産税や維持管理の問題だけが続いてしまうこともあります。

「まだ困っていない」が一番判断を難しくする
相続直後は、
・住んでいる人もいる
・収益も発生していない
・特にトラブルもない

だからこそ、「今じゃなくてもいいか」と思いやすいのです。
でも、問題は困ったときにすぐ動けない状態になっていることです。

少し動くだけで、将来が楽になる
遺産分割は、必ずしも一気に終わらせる必要はありません。
・財産の確認だけしておく
・相続人の連絡先を整理しておく
・方向性だけ共有しておく
これだけでも、将来の負担は大きく変わります。

何もしないより、少し整理
遺産分割は、急がせるものではありません。
でも、放っておいて良いものでもありません。
ほんの少し整理しておくだけで、次の世代に大きな安心を残すことができます。

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