2025年12月18日
遺産分割がうまくいく人・こじれる人の決定的な違い

目 次
はじめに
こんにちは。司法書士の清水です。最近、「うちは兄弟仲は悪くないんですが…」と前置きしながら、結果的に遺産分割がこじれてしまうご相談が増えています。
仲が良いご家族ほど、「まさかうちが」と感じてしまうのです。
では、うまくいくご家族と、こじれてしまうご家族の違いは何でしょうか。
違いは財産の額ではなく準備
実務で感じるのは、財産の多い少ないではありません。3,000万円でも揉めることはありますし、1億円あっても穏やかにまとまるご家族もあります。
違いは、「準備があったかどうか」です。
例えば、
・「うちはたいした財産ないから」と整理していない
・通帳がいくつあるのか誰も分からない
・不動産の評価額を調べていない
・同居の子だけが財産を把握している
・介護の負担が共有されていない
この状態で相続が始まると「本当はいくらあるの?」「何か隠していない?」「どうしてあなたが全部知っているの?」と、不安が疑いに変わります。
そして一度疑いが生まれると、話し合いは前に進みにくくなります。
財産の話が、いつの間にか「これまでの不満」の話に変わってしまうことも少なくありません。
説明があるだけで空気は変わる
一方、うまくいくご家族は、・財産一覧がある
・生前にある程度説明している
・介護の事情を共有している
・遺言やメモで気持ちを残している
という共通点があります。
例えば、自宅と預金3,000万円を子ども3人で分けるケース。
親が何も言わずに亡くなった場合と、「長女は近くで10年支えてくれた」「次男は遠方から何度も帰ってきてくれた」「三男はまだ住宅ローンが残っている」と事情を伝えていた場合では、受け止め方はまったく違います。
人は完全な平等よりも、納得できる説明に安心します。
「なるほど、そういう考えだったのか」と思えれば、気持ちは大きく揺れません。
60代後半からが現実味を帯びる
50代はまだ実感が湧かない方も多いかもしれません。しかし、60代後半になると、友人の相続の話を耳にしたり、ご自身の体調を考えたりと、少しずつ現実味が出てきます。
「まだ元気だから大丈夫」そのお気持ちは自然です。
けれど、元気なうちだからこそ、
・冷静に説明できる。
・家族を集めて話せる。
・気持ちを言葉にできる。
遺産分割は、亡くなってから突然始まるものではありません。
実は、生きている今から静かに始まっています。
もし自分がいなくなった後、子どもたちが疑い合うのではなく、「お父さんらしいね」「お母さんの気持ち分かるね」と穏やかに話せたら。
その未来をつくる準備は、今日からできます。
それが、上手に遺産分割を進める第一歩です。
