2025年12月12日
相続対策で「共有名義」を選んで大丈夫?実は一番多い落とし穴

はじめに
こんにちは。司法書士の清水です。相続のご相談で、とてもよく出てくる言葉があります。
「とりあえず兄弟で半分ずつ共有にしておけば平等ですよね?」
「揉めたくないので、みんなの名義にしておこうと思って」
お気持ちはよく分かります。
公平に分けたい、角が立たないようにしたい。
その結果として「共有名義」を選ばれる方が本当に多いのです。
ただ、実務の現場から正直にお伝えすると、共有名義はいちばんトラブルになりやすい分け方でもあります。
共有は「その場は丸く収まる」が後で困る
たとえば、こんなケースです。・実家を兄と妹で2分の1ずつ共有
・当初は「将来売ろうね」と話していた
・でも数年後、兄は「思い出があるから残したい」、妹は「売りたい」
こうなると、どうなるでしょうか。
不動産は、共有者全員の同意がなければ売却できません。
つまり、どちらか一人が反対すると、「売ることも、活用することもできない家」になってしまいます。
これが共有の難しさです。
共有不動産は「全員経営」みたいなもの
私はよく、共有不動産を「全員で経営する会社のようなもの」とお話ししています。・修繕どうする?
・固定資産税は誰が払う?
・空き家管理は?
・売却する?しない?
そのたびに全員の合意が必要です。
最初は仲の良い兄弟でも、時間が経つとそれぞれの生活環境や考え方が変わります。
結果として、「話し合うのが面倒で放置」
→「空き家化」
→「負担だけ残る」
という流れになりがちです。
これは本当によく見る現実です。
「平等=共有」ではない
ここが大切なポイントです。多くの方が、平等=同じ割合=共有と考えます。
でも実は、平等と共有はイコールではありません。
たとえば、
・不動産は一人が相続
・他の人は預貯金で調整
・売却して現金で分ける
こうした方法のほうが、結果として「公平でスッキリ」するケースはとても多いのです。
「分けやすい形にしておく」ことも立派な相続対策です。
共有にする前に、ぜひ考えてほしい3つの質問
私はいつも、共有を検討されているご家族にこう聞きます。(1)将来、本当に全員が同じ考えでいられますか?
(2)誰が中心になって管理しますか?
(3)いざ売るとき、全員すぐ動けますか?
少し考えると、意外と難しいことに気づかれる方が多いです。
共有は「簡単そうに見えて、実は一番重たい選択肢」なのです。
あいおい事務所が共有を安易に勧めない理由
あいおい事務所では、「とりあえず共有」は基本的にお勧めしていません。司法書士を中心に、弁護士・税理士・不動産鑑定士など11の士業が連携するLTRコンサルティングパートナーズ、さらに売却・片付け・リフォームなど実務まで支えるオーケストライフとともに、
・売却した場合
・単独名義にした場合
・活用した場合
それぞれの「現実的な未来」を一緒にシミュレーションします。
法律論だけでなく、暮らしの目線で考えることが大切だからです。
迷ったら「次の世代が動きやすい形」に
相続対策のポイントはシンプルです。次の世代が困らない形かどうか。
これに尽きます。
「平等だから」ではなく、「将来動かしやすいから」
この視点で考えると、自然と答えが見えてきます。
共有は最後の手段。その前に、ぜひ一度立ち止まって考えてみてください。
