2026年07月01日
「うちは大丈夫」が一番危ない?高齢者トラブルが始まる「最初のサイン」

はじめに
こんにちは!司法書士の清水です。最近、後見相談や高齢者支援の現場で感じることがあります。
それは、大きなトラブルは、ある日突然起きるわけではないということです。
実際には、その前に小さな違和感や変化が現れていることが少なくありません。
ただ、ご本人もご家族も「まだ大丈夫」「年齢的なものだから」と見過ごしてしまい、気づいた時には高額な契約やお金のトラブル、不動産問題に発展してしまっているケースもあります。
今回は、司法書士として現場で感じる「高齢者トラブルの最初のサイン」についてお話したいと思います。
「最近ちょっと変だな」が実は大事
高齢者トラブルというと、訪問販売や詐欺など大きな問題をイメージされる方が多いと思います。しかし、実際にはもっと小さなところから始まることが多いです。
例えば、
・同じ物を何度も買っている
・通帳や印鑑の置き場所が分からなくなる
・知らない業者の名刺が増えている
・家に不要な健康器具や布団がある
・玄関先に見慣れない工事チラシが大量に置かれている
・急に「屋根が危ないと言われた」と話し出す
・家族にお金の話をしなくなる
・光熱費や税金の支払いを忘れる
こうした小さな変化です。
ご本人は普通に生活されているつもりでも、判断力や記憶力の低下、孤独感、不安感などから、少しずつトラブルに巻き込まれやすい状態になっていることがあります。
悪質業者は弱っている人を見ています
特に最近増えているのが、住宅リフォームや点検商法です。「屋根が壊れていますよ」「このままだと雨漏りします」「近くで工事していたので気になって」
このように突然訪問してきて、不安を煽り、高額な契約につながるケースがあります。
もちろん、本当に必要な工事もあります。
しかし問題は、冷静に比較・判断できない状態で契約してしまうことです。
実際の相談でも「よく覚えていない」「言われるまま払った」「断るのが悪い気がした」というお話は少なくありません。
特に、一人暮らしで相談相手が少ない方は狙われやすい傾向があります。
「迷惑をかけたくない」が相談を遅らせることも
高齢者支援をしていて感じるのは、ご本人は決して無責任ではないということです。むしろ、
「子どもに迷惑をかけたくない」
「自分で何とかしないと」
「恥ずかしい」
「怒られたくない」
そんな気持ちから、一人で抱え込んでしまう方が多い印象があります。
そのため、家族が気づいた時には、何十万円もの契約がされていたり、不要な工事が繰り返されていたりすることもあります。
後見制度は最後の手段ではありません
後見制度というと「もう何もできなくなった人が使う制度」というイメージを持たれることがあります。しかし実際には、大きなトラブルになる前にどう支えるかという視点もとても重要です。
例えば、
・お金の管理方法を見直す
・家族との情報共有を増やす
・見守り体制を整える
・信頼できる相談先をつくる
・地域や支援者とつながる
こうした予防的な関わりだけでも、トラブルリスクは大きく変わります。
後見制度だけでなく、見守り契約や任意後見、家族との役割分担など、その方に合った支援方法を一緒に考えることも大切です。
司法書士清水のコメント
私は、後見相談や高齢者支援の現場で「もっと早く相談できていたら」と感じる場面を多く見てきました。ただ、これはご本人やご家族が悪いわけではありません。
高齢になると、身体や判断力だけでなく、人とのつながりや生活環境も少しずつ変化していきます。
その中で、不安や孤独につけ込む人がいるのも現実です。
だからこそ大切なのは、問題が大きくなる前に小さな違和感に気づくことだと思います。
あいおい事務所では、法律や手続きだけでなく「どう暮らしを守るか」「どう安心して生活を続けるか」という視点を大切にしながら、ご本人やご家族と一緒に現実的な方法を考えています。
「まだ相談するほどではないかも」
そんな段階こそ、実は大切なのかもしれません。
