実際の相談事例を元に、様々なお悩みを司法書士清水敏博のコラムでご紹介します。

2026年02月24日

家族信託の内容は、家族にきちんと説明すべき?〜「言わなくてもいい」が一番のトラブル原因〜

老後生活設計
はじめに
こんにちは。司法書士の清水です。
家族信託のご相談で、意外と多いのがこんな声です。
「信託の内容って、家族全員に説明した方がいいんですか?」「言わなくても、あとで分かりますよね…?」
結論から言うと、できる範囲で、きちんと説明しておいた方が安心です。
理由はとてもシンプルです。

説明がないと、相続の場面で誤解が生まれる
実際によくあるのが、こんなケースです。
・長男が受託者になっている
・他の兄弟は詳しい内容を知らない
・親が亡くなって初めて契約書を見た
すると、「勝手に全部任されていたの?」「もう決まっていたなんて聞いてない」と、感情的な対立が起きやすくなります。
制度そのものより、「知らされていなかったこと」への不満が原因になることが多いのです。

細かい内容まで説明する必要はありません
誤解しないでいただきたいのは、契約書の中身を全部説明する必要はないということです。
たとえば、
・認知症になったときのための準備
・管理は〇〇に任せること
・最終的な承継の考え方
この程度でも、「聞いている」と「知らない」では大きな違いがあります。

「誰が、何を任されているか」は伝えておく
特に大切なのは、
・受託者は誰か
・何ができて、何ができないのか
を共有しておくことです。
これを知らないと、「勝手に売った」「自分だけ得をしている」といった誤解につながりやすくなります。

家族会議というほど大げさでなくていい
「家族会議」と聞くと、身構えてしまう方も多いですが、そこまで大げさでなくて大丈夫です。
・食事のついで
・帰省のタイミング
・雑談の中で少し触れる
それだけでも、家族の受け取り方はずいぶん変わります。

説明することは、家族への思いやり
家族信託は、「誰かを優遇する制度」ではありません。
多くの場合、いざというとき困らないように家族が揉めないようにという思いから作られています。
その気持ちを、少し言葉にして伝えるだけで、理解は深まります。

あいおい事務所がよくお手伝いすること
あいおい事務所では、
・どう説明したらいいか分からない
・どこまで話すべきか迷っている
そんな方のために、説明のポイント整理や、家族への伝え方のアドバイスも行っています。
無理に全員を集めなくても、できる形を一緒に考えます。

「伝えておけばよかった」は、後から気づく
実務でよく聞く言葉があります。
「もっと早く、少し話しておけばよかった」
家族信託の内容そのものより、伝えていなかったことが後悔になるケースは本当に多いです。

少し話すだけで、未来は変わります
家族信託は、契約書を作って終わりではありません。
家族の安心につなげるために、ほんの一言の説明を、ぜひ大切にしてください。

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